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留学生のボランティアによる学習を支援する事業
福岡県飯塚市は、日本語の理解が不十分な市内の外国人児童のため、留学生らがボランティアで小学校に出向き、学習を支援する事業を4月からスタートする。
飯塚市は「アジアIT特区」として、海外から多くの研究者や留学生を迎え入れており、外国人の生活環境を整えることで産業育成や起業につなげる狙い。外国人児童支援に学校現場で留学生を活用する例は全国でも珍しく、新年度当初予算案に事業費約500万円を計上する。
飯塚市では現在、インドネシアやフィリピン・ペルー・米国・ブラジルの研究者らの子ども約15人が市立小学校に通う。ただ日本語が分からず授業についていけない子も多く、研究者らから色々悩みも寄せられていた。
計画では、外国人児童が多い市街地の1校を「拠点校」とし、市費採用の英語に堪能な教諭を外国人児童専任にあてる。拠点校の外国人児童は、通常の学級に所属しながら、国語や総合学習の時間は専用教室に集まり日本語などを学ぶ。
児童の出身国によって多様な言語に対応する必要があることから、専任教諭の補助要員としてボランティアの留学生を活用。同市内の九工大と近畿大では17カ国約60人の留学生が学んでおり、両校にボランティアの協力者を募るという。拠点校以外の外国人児童には、専任教諭や留学生を派遣して対応する。
飯塚市は、外国人技術者らの在留手続きなどが規制緩和される「アジアIT特区」。近年は外国人による企業活動が活発化しており、同市は「外国人技術者らが安心して研究や事業に専念でき、成果を地域に反映してもらえる環境をつくりたい」としている。